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COLUMN 物流コラム

2024/11/01

物流機器の法定耐用年数は何年?フォークリフトなど代表的な機器の年数を紹介!

法定耐用年数とは、減価償却費を計算するときに必要となる、財務省令で定められた期間のことです。物流機器(マテハン機器)は資産区分などによって、それぞれ法定耐用年数が定められています。法定耐用年数は製品の耐久年数(寿命)とは異なるため、たとえ法定耐用年数を過ぎていても、その製品を使い続けることは可能です。

本記事では法定耐用年数と寿命の違いや代表的な物流機器の法定耐用年数、法定耐用年数を把握するメリットを解説します。

物流機器の法定耐用年数とは“税務上の”耐用年数のこと

モノの移動を効率化するために使われる物流機器(マテハン機器)は、使用期間や取得価額によっては、固定資産に分類される場合があります。固定資産は会計上「本来の役割を果たす」とみなされる期間が、財務省令で定められています。これを法定耐用年数といい、減価償却費の計算は法定耐用年数を基に行われます(※)。

※参考:国税庁.「減価償却のあらまし」

法定耐用年数は物流機器の寿命とは異なる

法定耐用年数は、いわゆる物流機器の寿命に当たる、メーカー表示の耐久年数とは異なります。耐久年数とは機能上問題なく利用できる期間のことで、法律で定められているわけではありません。使用する環境や方法、頻度などによっても大きく異なります。法定耐用年数が過ぎた物流機器でも、安全上や機能上の問題がなければ、使い続けることは可能です。

代表的な物流機器の法定耐用年数を紹介

ここからは、物流業界で使われる代表的な物流機器の法定耐用年数を紹介します。なお物流機器の法定耐用年数は、食料品製造業用設備や繊維工業用設備など、資産区分によって分かれているものが多くあります(※)。

実際に自社の物流機器などの法定耐用年数を調べる際は、国税庁のWebサイトや資料を参照するか、管轄の税務署に確認してください。

※参考:国税庁.「耐用年数表」

※参考:国税庁.「別表第二 機械及び装置の耐用年数表(新旧資産区分の対照表)」

パレット

倉庫で使うパレットの場合、1台当たり10万円以下であれば消耗品費の勘定科目で処理できるため、法定耐用年数の確認は不要です(※)。10万円以上であれば備品となるため、資産区分に基づく法定耐用年数を確認の上、処理しましょう。

※参考:国税庁.「減価償却のあらまし」

ラック

ラックは、資産区分が「器具および備品」の場合、使用方法により以下のように法定耐用年数が異なります。

  • 陳列棚の場合:8年
  • 保管棚の場合:15年

なお、倉庫の壁などに工事をして設置したラックは「建物附属設備」という別の資産区分になります。この場合、材質により法定耐用年数が異なり、金属製以外は10年、金属製は18年です。

ラックの耐久年数(寿命)は使用環境や材質により異なるため、一概に言い切ることはできません。

フォークリフト

フォークリフトの法定耐用年数は4年です(※)。これは、「機械および装置以外の有形減価償却資産の耐用年数表」の「車両および運搬具」の「前掲のもの以外のもの」として定められています。

なお、耐久年数(寿命)はバッテリー式で5年~10年程度、エンジン式で10年~15年以上と考えられています。メンテナンスの頻度により誤差はあるものの、多くの場合、法定耐用年数よりも長く使い続けることが可能です。

※参考:財務省.「減価償却資産の耐用年数等に関する省令 別表」P14

ハンディターミナル

ハンディターミナルの法定耐用年数は5年です。「器具・備品」の「事務機器、通信機器」の「その他の事務機器」に分類され定められています(※)。

耐久年数(寿命)では10年以上使い続けることもできるものの、OSのサポート期限が切れるなどして早期に使えなくなることもあります。また、古いものよりも新しいものの方が操作性にも優れるため、早めに買い換えることが多いでしょう。

※参考:国税庁.「耐用年数(器具・備品)(その1)」

物流機器の法定耐用年数を把握するメリット

会計上、法人が減価償却を行うかどうかは任意です。そのため会計上の処理が必要ないのであれば、物流機器の法定耐用年数を必ず把握する必要はありません。しかし確認しておくと、さまざまなメリットがあります。

安全性の確保につながる

法定耐用年数は物流機器の寿命と異なるとはいえ、「本来の役割を果たす」とみなされる期間により定められています。法定耐用年数を把握し定期的にメンテナンスや買い換えを行えば、故障により業務が停止するリスクの回避につながるでしょう。

買い替え時期を決めやすい

物流機器の多くは法定耐用年数よりも長く使えるものの、使い続ければその分、性能が落ちてしまいます。またデジタル化された製品の場合、新しいものの方が機能は充実しており、省エネ化も進む可能性があります。壊れるまで使うのではなく、法定耐用年数に合わせて買い換えた方が、業務の効率化につながるかもしれません。

費用を分割して計上できる

減価償却を行うメリットは、取得金額を法定耐用年数に応じて毎年費用計上できる点です。購入した年以降の経費が把握しやすいだけでなく、減価償却分だけ利益を減らせるため、毎年の法人税額を抑えられる可能性もあります。

物流機器は法定耐用年数を目安に買い換えるのもあり

法定耐用年数とは税制上「本来の役割を果たす」とみなされる期間のことで、減価償却費を算出するときに必要です。例えば陳列棚であれば8年、保管棚であれば15年が法定耐用年数です。減価償却をしないのであれば、法定耐用年数を把握する必要はありません。しかし物流機器の交換目安にすれば、毎年経費を計上できる、故障のリスクを回避できる、最新の機器を使える、など業務効率向上が期待できます。

業務効率の向上を図るためにも、使用している物流機器の法定耐用年数を把握しておきましょう。

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